2013年10月11日金曜日

夕焼けがあたたかい



日が沈むのが早くなってきた
その前にサイクリングへ
夕焼けがあたたかい季節

2013年10月4日金曜日

一発勝負


先日、Tokyo Net Radioというラジオ番組の収録がありました。番組パーソナリティを務めるのは、朗読など、語りの表現活動をされている菅野秀之さん。

当日は、吉祥寺のスタジオで収録。ネットラジオは公開後、いつでも聞くことができる形式なので、部分ごとに録音していくのかと思っていたら、30分の番組を通しで録音していく、一発勝負とのこと。番組内では様々なコーナーがあって、菅野さんの朗読タイムもあるのですが、その間も至近距離にいるので、咳き込んだりしないように、呼吸に気を使ったり。

自分の伝えたい内容も数分のうちに収めなくてはという緊張感。つっかえたり、同じ言葉を繰り返したり、わたわたしましたが、菅野さんの柔らかな語り方に助けられ、なんとか無事収録を終えました。

今回、一発勝負の録音というのが新鮮でした。音楽を録音するときは、最高のテイクを残すために、少しでも気になる所は部分ごとに録り直すことがあります。そして、最近のデジタル技術の力を借りれば、録音後に、リズムのずれや音程のブレも、かなりの精度で修正できたりもします。この「リセットが利く」という環境、便利なことだけど、怖いことでもあると思っていて。

「リセットが効く」ので、最終的な決断が不要になる。そうなると自動的に、その瞬間ごとに注ぐ集中力は薄まっていく。そして「やり直しが利く」という条件の下では、訂正することを前提に行動してしまう傾向もあるのではないかな。

便利な技術が身近に存在している現在は、それらを使わないのは難しいけれど、ただただ便利に流されるのではなく、得られること、失われることに対して、意識的でありたいです。そんなときに思い出すのはこんな文章。

旅行を数多くしていると、そこにはいくつかの哲学が生まれてくるものだが、僕にとっては「便利なものは、必ずどこかで不便になる」というのもそのうちの1つだ。村上春樹 / サラダ好きのライオン P73

ラジオ収録内容から話がそれてしまいましたが、今回のラジオでは、organic stereoの活動について、最近のマイブームとして料理のことについて、大好きな本「旅をする木」についてなど、お話させてもらっています。

聞き返してみると、菅野さんの声の良さに対する僕の細々とした声に、苦笑いしながらも、「お話をする」ことの奥深さを感じられる経験でした。そして、菅野さんによる朗読という表現の可能性、おもしろさも感じることができました。

↑こちらから聞くことができます
(第42回放送 2013.9.7 UP分にあります) 

2013年10月3日木曜日

2013年9月18日水曜日

キャッチボール

人と会うということは無駄が多いかもしれない。効率だけを考えれば、電話やメールで仕上げるのがよいでしょう。でも、その無駄のなかには、自分がそれまで知らなかった、輝くなにかが存在しているのではないかな。

Rallye Labelのコンピへ収録するため、one day diaryとorganic stereoのコラボで、楽曲を制作することになった時のこと。ふとした思いつきで、one day diaryの二人に会いに行きたくなった。

家田さんの家で、手作りビーフシチューをいただきながら、ゆったりとした時間。コラボ曲制作の打ち合わせという名目だったけど、それについてのやりとりはわずかで、他愛のないお話であっという間に時間が過ぎた。お散歩がてら等々力渓谷へ出かけたりもした。

「キャッチボール」をするように。それが今回の制作のキーワード。お互いが少し手を付けては、受け渡し、受け渡し、その繰り返し。受け取る度に、新しい響きが見えてくるうれしさ。

7割ほど仕上がってきたころ、今度は、one day diaryの二人が、僕の家まで会いにきてくれた。僕の住む東久留米のゆるやかな自然風景を気に入ってくれて、心地良いムードの中、新たなコーラスパートを録音。

最後に、僕がミックスをしてone day diaryがマスタリング、たっぷりと豊かな時間を通して、素晴らしい1曲が仕上がりました。


等々力渓谷の静かな景色や、東久留米のゆるやかな自然、手作りビーフシチュー、お腹をすかせて向かった中華料理店。3人で共有した記憶から、ひとつの作品が生まれました。この夏のすてきな思い出です。


等々力渓谷を歩く、
one day diaryのvocal、
松永さんの後ろ姿。
この後ろ姿からも、
制作のアイデアがふつふつと。

***

なお、この楽曲は、10/6に渋谷にて開催されるイベント、rallye label presents ソコカシコの来場者特典としてプレゼントされる、非売品コンピCD『Rallye Cloak Japan 03』に収録されます。ラリー所属の日本人アーティスト総出演の、このイベント、オススメです!

One Day Diary × Organic Stereo / Jean's Not Happening (ペイル・ファウンテンズのカバー)ショートバージョンを含む、全6曲の試聴ができます→ http://snd.sc/1dlmeCg

2012年1月9日月曜日

重なり合うそのふたつ

高校サッカー選手権決勝を観てきました。
ほぼ満席、6万人のものすごい熱気。

試合開始前、市立船橋の選手が、
スタンドから応援している生徒たちに、
頭を下げ、手を振り、感謝を伝えている。
限られた11人だけがピッチに立ち、
それを沢山の仲間たちが支えている。
試合は始まっていないのに、
その光景を見ただけで、ぐっときた。

胸が熱くなる素晴らしい試合。

市立船橋主将の和泉くん、かっこよかったな。
さわやかだけど頼りがいのある存在。
決勝という大舞台で2得点を決めるんだから、
本当にすごい男だ。

試合終盤にかけて夕暮れになってくる。
高校サッカー決勝はいつもこの時間帯。
高校生活をサッカーにかけた時間が
だんだんと終わりに近づくにつれて、沈みゆく夕日。
重なり合うそのふたつに、じーんときました。

2011年12月16日金曜日

朝、流れ星の音を聴く


朝5時過ぎに家を出る。
朝だけど夜のような闇。
自転車に乗って空を見上げた、
その瞬間に流れ星を見た。

その光が見えてから数秒は、
しーんとした静寂に包まれた。
それから少し遅れて、
なにか音が聴こえる。
こころの中で。

そのあとのしばらくの間、
あの音はどんなだったかな、
どう表現できるかなと、思いを巡らせる。
始発近くの電車の中で。

ほんの一瞬の出来事が、
そのあとしばらく、
こころの中を動き続けた。

2011年12月10日土曜日

リュックが開いていますよ


夜遅い時間の満員電車は、
自分が疲れていることも相まって、
どんよりとした気持ちになることが多い。

今日の車内もずいぶんと混雑していた。
静けさには様々な種類があるけれど、
ここにあるのは、
どことなくピリピリとした静けさ。

そんなとき、若い女の子が、
おじさんに向かって、ゆったりと言葉を発した。

「リュックが開いていますよ、
 中身が落ちてしまいそうで心配で」

なんとも、自然で優しい声だった。

おじさんは、少し照れくさそうに、
でもなんだかうれしそうな表情をしていて、
「ありがとうございます」の言葉が温かく響いた。

ぱっと車内の静けさの種類が変わるのを感じた。

駅について、改札を抜けると、
ちょうど、皆既月食が始まっている。
遅い時間だと、ほとんど人通りのない帰り道だけど、
今日は、夜空を見上げる沢山の人たちとすれ違う。
それぞれの人の時間が、
そっと止まってしまったような、静かで温かい感覚に。

24時をまわって家に戻ったのに、
ほとんど疲れを感じていないことが不思議。

2011年9月15日木曜日

旅するたのしさ

1週間ちょっと、北海道でゆったりとしてきました。

最終日は、モエレ沼公園を見て、
それから小樽へ。
日が沈み、運河の水面に、
灯りがうっすら浮かんくる風景が
とてもきれいだった。

翌朝は、小樽駅の近くでモーニング。
ママがひとりで切り盛りしている、小さなお店。
僕は小さな喫茶店のモーニングが好き。
見知らぬお店に入るちょっとした緊張と、
これから一日が始まる朝の匂い。

土曜の朝だったからか、お店は混んできた。
家族連れでカウンターは埋まり、全員がモーニング。
「少し時間かかるけど、電車は大丈夫?」とママ。
しばらくして、厚手でふかふかのトーストが焼き上がる。

「無理すれば、4枚まで焼けるんだけど、
 無理しちゃってもねぇ…」

ママがにこやかに、話してくれたことば。

無理しちゃってもねぇ、の続きは微笑みだけだったけど、
なんだか、その続きも、こころにすっと響いてくる。

どこにでもあるような、
ちょっとした会話や、
さりげない風景でも、
そこから多くの意味を感じとれるのが、
旅のたのしさなんだろうなあ。



2011年5月23日月曜日

これぞ笑顔

幼なじみの親戚の赤ちゃんを
抱っこさせてもらった。
はるくん、生後二ヶ月。

顔も手足もぷくぷくとまんまるで、
ほんとうにかわいらしい。
小さな手に触れると、
僕の指をぎゅっと掴んでくれる、
その握力の強さに驚いたり。

ことばはもちろん、
視点もまだあやふやだけど、
ふとしたときに笑うのです。
なにかうれしいことが、
はるくんのなかで起きているのでしょう。

生きていくうえでは、いろんな笑顔が必要だけど、
笑顔ってなんだろうと思い浮かべるときには、
はるくんの表情を思い出したいと思いました。