ハモニカおじさん
枯葉が少しずつ積もってきた。
僕の大好きな季節。
小金井公園のベンチで
ハモニカを吹くおじさん。
その場に溶け込むような
すてきな音色。
どや!と奏でることなく、
でも、恥ずかしがる様子もなく。
この風景を演奏しているみたい。
まわりのみんなは
「聴く」というよりも、
「感じている」、そんな音色。
あのおじさんみたいな音を
僕も奏でたいな。
音楽をこんなところで学ぶとは。
あまりに、自然な演奏だから、
立ち止まる人は少ない。
でも、小さな子どもは、
おじさんに気づいている。
お母さんの手を離れて、
よちよち歩きで、おじさんに近づく。
ふたりは仲良く微笑み合う。
聴こえてきたのはアンパンマンマーチ。
小さな子どもは踊りだす。
こうやって聴くと、
飛躍のあるきれいなメロディに、
はっとする。
僕も、アンパンマンマーチを
練習しておこうかな。